地方自治の政治用語一覧
64語の政治用語を収録しています
地方公共団体が自主的に行政を行うこと。憲法第8章で保障されており、「団体自治」と「住民自治」の二つの原則を持つ。都道府県・市町村の二層制で、首長と議会がそれぞれ直接選挙で選ばれる。「地方分権」が常に議…
都道府県および市区町村の総称。地方自治体とも呼ばれるが、法律上は「地方公共団体」が正式名称。憲法第92条で地方公共団体の組織・運営は地方自治の本旨に基づくと規定される。普通地方公共団体(都道府県・市町…
広域的な地方公共団体。1都(東京)・1道(北海道)・2府(大阪・京都)・43県の47自治体がある。市町村を包括する広域行政を担い、警察・教育・道路・河川などを所管する。知事は直接選挙で選ばれ、「地方の…
基礎的な地方公共団体。市町村および東京都の特別区を含む。住民に最も身近な行政主体で、住民登録・福祉・ゴミ処理・消防など日常生活に直結する行政サービスを提供する。「平成の大合併」で市町村数は大幅に減少し…
東京都の23区。基礎的地方公共団体として位置づけられるが、市町村とは異なる特殊な制度。一部の事務(上下水道・消防等)は東京都が担うため、市と同等の権限は持たない。区長は直接選挙で選ばれる(かつては区議…
人口50万人以上の大都市で政令で指定された市。2024年現在、20市が指定されている。行政区を設置でき、都道府県の事務の一部を移譲されるため、広範な権限を持つ。「二重行政」の問題が指摘されることがあり…
人口20万人以上の都市で指定を受けた市。保健所設置市としての権限を持ち、政令指定都市に次ぐ権限を有する。2015年の制度改正で旧特例市制度が廃止され、中核市の要件が引き下げられた。全国で62市が指定さ…
旧特例市制度で指定されていた市。2015年の地方自治法改正で特例市制度が廃止され、経過措置として「施行時特例市」の名称で従来の権限を維持している。中核市への移行が推奨されており、段階的に統合が進んでい…
都道府県の首長。住民の直接選挙で選ばれ、任期は4年。被選挙権は30歳以上。広域行政の責任者として大きな権限と予算を持つ。「知事の乱」と呼ばれるように、有名知事が国政に転じる例がある。東京都知事や大阪府…
市の首長。住民の直接選挙で選ばれ、任期は4年。被選挙権は25歳以上。住民に最も身近な基礎自治体のトップとして、行政サービスの責任者。政令指定都市の市長は特に影響力が大きく、人口数十万規模の行政を統括す…
町の首長。住民の直接選挙で選ばれ、任期は4年。町は市より小規模な基礎自治体で、町長は地域のコミュニティの顔となる。平成の大合併で町の数は大幅に減少した。少子高齢化や人口減少に直面する町も多く、「消滅可…
村の首長。住民の直接選挙で選ばれ、任期は4年。最も小規模な基礎自治体のトップで、住民との距離が極めて近い。過疎化や高齢化に直面する村が多く、村長のなり手がいない「無投票当選」や立候補者不在が深刻な問題…
特別区(東京23区)の首長。住民の直接選挙で選ばれ、任期は4年。かつては区議会による選任制だったが 1975年から公選制になった。人口が90万人を超える区もあり、地方の県知事並みの行政規模を持つ。都と…
知事を補佐する特別職。知事が議会の同意を得て任命する。行政実務の統括や知事不在時の代理を担う。定数は条例で定められ、複数置く自治体もある。国ぎよりの「天下り」ポストとして利用されることもあり、総務省や…
市長を補佐する特別職。市長が議会の同意を得て任命する。2007年の地方自治法改正で「助役」から「副市長」に改称され、権限が強化された。定数は条例で定められる。行政の専門性を確保するために民間からの登用…
地方公共団体の議決機関。都道府県議会・市区町村議会がある。条例の制定、予算の議決、決算の認定、首長の監視などを行う。二元代表制の下で首長と対等の関係にある。低投票率や議会の形骸化が指摘され、「地方議会…
都道府県の議決機関。条例の制定、予算の議決、決算の認定、知事の監視などを行う。議員は住民の直接選挙で選ばれ、任期は4年。都道府県議会議員は国会議員への登竜門として位置づけられることが多く、県議経験者が…
市区町村の議決機関。住民に最も身近な議会であり、地域の課題を直接議論する。議員定数は条例で定められる。小規模自治体では無投票当選や定数割れが発生することもあり、議員のなり手不足が深刻。報酬や活動環境の…
議会を構成する議員の数。条例で定められるが、地方自治法で上限が規定されている。行財政改革の一環として「議員定数削減」が常に議論される。「身を切る改革」の象徴として削減を主張する動きがある一方、住民代表…
地方議員に支払われる報酬。条例で定められ、自治体の規模により大きな差がある。都道府県議員では月額数十万円から100万円以上の自治体もあるが、町村議員では月額十数万円程度のことも。「議員のなり手不足」の…
地方議員の調査研究活動のために交付される経費。かつての「政務調査費」が2012年に改称された。使途の透明性が大きな課題で、私的な支出への流用や不正請求が全国的に問題化した。2014年の兵庫県議会での「…
地方公共団体が制定する法規。法律の範囲内で独自のルールを定められる。「路上喝煙禁止条例」や「子ども条例」など地域特性に応じた条例が各地で制定される。違反に対する罰則を定めることも可能。「先進的な条例」…
住民が首長の解職、議会の解散、条例の制定・改廃を直接請求する制度。地方自治法に基づく住民参加の仕組み。有権者の一定数以上の署名が必要。条例の制定・改廃請求は有50分の1以上、解職・解散請求は3分の1以…
住民が首長や議員の解職を請求すること。有権者の3分の1以上の署名を集め、選挙管理委員会に提出する。署名が有効と認められれば住民投票が行われ、過半数の同意で解職が成立。大村秀章・愛知県知事のリコール運動…
特定の政策課題について住民の意思を直接問う投票。法的拘束力の有無は条例による。原発建設、米軍基地、市町村合併などで実施例がある。「大阪都構想」をめぐる2015年・2020年の住民投票が大きな注目を集め…
住民が自治体の財務行為について監査委員に監査を求める制度。違法もしくは不当な公金支出があると思料される場合に行える。監査結果に不服があれば住民訴訟に進むことができる。市民オンブズマンなどが活用すること…
住民監査請求の結果に不服がある場合に住民が提起する訴訟。地方自治法第242条の2に基づく。自治体に与えた損害の賐償や違法行為の差し止めを求めることができる。4号訴訟(損害賐償請求)が特に多く、首長の不…
行政の監視を行う市民団体。行政の無駄遣いや不正を監視し、情報公開請求や住民監査請求を活用する。北欧スウェーデン発祥の制度だが、日本では行政が設置する公的オンブズマンと市民が自主的に活動する市民オンブズ…
行政機関が保有する情報を住民に公開する制度。情報公開条例に基づき、誰でも行政文書の開示を請求できる。国では情報公開法(2001年施行)、地方では各自治体の条例に基づく。不開示決定に対しては不服申し立て…
地方公共団体の長(知事・市長・町長・村長)の総称。「しゅちょう」と読む。住民の直接選挙で選ばれ、議会と並ぶ二元代表制の一翼を担う。予算編成権や人事権など強大な権限を持ち、「強い首長」と「議会の監視」の…
首長と議会がそれぞれ住民の直接選挙で選ばれる地方自治の仕組み。国政の議院内閣制とは異なり、首長と議会が対等かつ緊張関係にある。議会は首長に対する不信任決議権を持ち、首長は議会解散権を持つ。「オール与党…
議会を開く暧がないとき等に首長が議会に代わって行う処分。地方自治法第179条に基づく。緊急性が要件だが、「専決処分の乱用」として実際には議会軽視の手段となることもある。次の議会で承認を得る必要があるが…
地方議会が首長に対して不信任を議決すること。議員の3分の2以上の出席、4分の3以上の同意が必要。可決されると首長は10日以内に辞職か議会解散を選択する。解散後の再議決では過半数で成立する。地方政治では…
地方自治法第100条に基づき設置される調査委員会。証人喚問の権限を持ち、偽証には罰則が科される。地方議会の調査権の中で最も強力な手段であり、不祥事や行政の不正を追及する際に設置される。「伝家の宝刀」と…
自治体間の財政力格差を調整するために国から交付される資金。国税の一定割合(所得税・法人税・消費税等)が原資。「普通交付税」(使途自由)と「特別交付税」(使途限定)がある。不交付団体(東京都等)と交付団…
自治体が独自に課税する税。住民税、固定資産税、事業税、自動車税などがある。地方財政の根幹をなす自主財源だが、自治体による税収格差が大きい。「ふるさと納税」で都市部から地方への税収移転が進み、東京都や大…
自分の選んだ自治体に寄附する制度。寄附額のうち2000円を超える分が税控除される。返礼品が大きな注目を集め、「返礼品競争」の過熱が問題化。総務省が返礼品の上限(寄附額の3割)や地場産品に限定するルール…
自治体が資金調達のために発行する債券。大規模なインフラ整備や災害復旧などに充てられる。かつては国の許可が必要だったが、2006年から協議制に移行し、原則自由になった。総務省が「財政健全化比率」などで自…
人口減少が著しい地域。「過疎地域自立促進特別措置法」の対象となる。全国の市町村の約半数が過疎地域に指定されている。行政サービスの維持が困難で、学校や病院の統廃合が進む。かつては「過疎・過密」問題として…
65歳以上の高齢者が住民の半数を超え、共同体の維持が困難になった集落。社会学者の大野晃司が提唱した概念。冠婚葬祈や道路管理など共同生活の基盤が崩壊する。「限界」という表現に対する批判もあるが、地方の人…
2040年までに若年女性人口が半減すると推計された自治体。元総務大臣の増田寛也が座長を務める日本創成会議が2014年に発表。全国896自治体が該当するとし、大きな衰撃を与えた。「まち・ひと・しごと創生…
東京一極集中を是正し、地方の活性化を図る政策。2014年に安倍政権が「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、地方創生担当大臣も新設。各自治体に「地方版総合戦略」の策定を義務付けた。地方創生交付金で自治体…
都道府県を廃止して広域の道・州に再編する構想。行政の効率化と二重行政の解消を目的とする。自民党や経団連が推進してきたが、都道府県や市町村の反対が強く実現には至っていない。大阪では「大阪都構想」が道州制…
複数の市町村が一つに統合すること。新設合併と編入合併の2種類がある。「平成の大合併」で自治体数が大幅に減少した。行政効率化や財政基盤強化が目的だが、周辺部の行政サービス低下や地域アイデンティティの喪失…
1999年から2010年にかけて推進された大規模な市町村合併。自治体数が約3200から約1700にほぼ半減した。合併特例債の優過措置や合併特例法による支援が推進力となった。行政効率化や広域的なまちづく…
複数の自治体が共同で事務を処理するための組織。一部事務組合より広範な権限を持ち、国や都道府県からの権限移譲も受けられる。後期高齢者医療広域連合が代表例で、75歳以上の医療保険を管理する。小規模自治体が…
複数の自治体が共同で特定の事務を処理する組織。消防、ごみ処理、上下水道、病院運営などが典型的。広域連合よりは権限が限定的だが、実務上は最も一般的な広域行政の形態。小規模自治体にとって行政サービスの効率…
公の施設の管理運営を民間事業者等に行わせる制度。2003年の地方自治法改正で導入。それまでは公共団体や第三セクターに限定されていたが、民間企業にも門戸を開いた。図書館、体育館、公園、美術館などで広く活…
民間の資金と経営能力を活用して公共施設の整備・運営を行う手法。Private Finance Initiativeの略。1999年にPFI法が制定された。病院、学校、庭舩施設、官舎などで活用例がある。…
官民連携。Public Private Partnershipの略。公共サービスの提供に民間の力を活用する手法の総称。PFI、指定管理者制度、包括委託などを含む広い概念。財政難の自治体にとって行政サー…
都市部から過疎地域に移住し、地域活性化に取り組む制度。総務省が推進し、任期は最長1年から最長3年。活動費は特別交付税で賄われる。農業支援、観光振興、地域おこしなどの活動を行う。任期終了後の定住率が約づ…
都市部の住民が地方に移住する動き。地方創生の文脈で注目され、「ふるさと回帰支援センター」への相談件数が年々増加している。コロナ禍以降のテレワーク普及で地方移住への関心が高まった。「田園回帰」とも呼ばれ…
都市機能を中心部に集約し、効率的なまちづくりを目指す構想。人口減少・高齢化社会において、郊外に拡散した都市を再編する政策。富山市や青森市などが先進例。公共交通の維持と中心市街地の活性化が柱となる。「立…
自治体の最上位計画。まちづくりの基本方針を定める長期計画で、通常10年程度の計画期間。かつては地方自治法で策定が義務付けられていたが、2011年の法改正で策定義務が廃止された。しかし実際にはほとんどの…
老朽化した公共施設の統廃合・更新を計画的に進める取り組み。高度経済成長期に大量に建設された公共施設が一斉に更新時期を迎えている。「公共施設等総合管理計画」の策定が各自治体に求められている。財政難の中で…
行政の事業や施策の効果を評価し、改善につなげる仕組み。PDCAサイクルに基づき、事業の必要性・効率性・有効性を検証する。「事務事業評価」と「政策評価」の2層構造が一般的。外部評価委員を置く自治体もある…
行政の事業を公開の場で検証し、不要な事業を廃止・縮小する手法。民主党政権が2009年に国の「事業仕分け」として大規模に実施し、蓮舃行政刷新担当大臣らが主導した。「2位じゃダメなんですか」発言が象徴的。…
地方議会で予算案を集中的に審議するために設置される特別委員会。年度当初予算や補正予算の審議にあたる。常任委員会とは異なり、必要に応じて設置される。首長が提出した予算案を詳細に審査し、修正や附帯決議を行…
地方議会で決算を審査するために設置される特別委員会。年度の収入・支出の実績を審査し、予算執行の適正性を検証する。監査委員の意見も参考にされる。予算特別委員会と比べて注目度が低くなりがちだが、「決算の充…
地方議会の運営を改善する取り組み。通年議会、議会報告会、議会基本条例の制定、夜間議会などが代表的な施策。低投票率や議員のなり手不足を背景に、「住民に開かれた議会」を目指す動きが全国に広がっている。会派…
議会運営の基本ルールを定めた条例。議会改革の一環として制定が全国に広がっている。2006年の北海道栞山町議会が先駆例とされる。議会の基本理念、住民参加、議員間の自由討議、首長との関係などを規定する。「…
年間を通じて議会を開会し、機動的な議論を可能にする制度。従来の定例会制(年4回)では緊急の案件に迅速に対応できないという課題があり、地方自治法の改正により導入が可能となった。災害対応や補正予算の審議な…
住民が傍聴しやすいよう、夜間に開催する議会。多くの地方議会が平日の昼間に開かれるため、働いている住民が議会を見る機会が限られるという問題があった。議会改革の一環として、住民に開かれた議会を実現するため…
議員が住民に議会活動を直接報告する場。議会と住民の距離を縮める取り組みとして、議会基本条例に基づき各地で実施が広がっている。議員が地域ごとに出向いて議会での審議内容や政策を説明し、住民からの意見や要望…